学会報告：「熱電変換材料の開発とデバイス応用の最前線」応用物理学会シリコンテクノロジ—分科会

摘要

現実世界のさまざまな"物"インターネットでつなぎ， データを活用して新たな付加価値を作り出すInternet of Things (IoT)を進展させるために，エレクトロニクスが果たす役割は大きい.特に，実社会からデータを収集するための膨大な数のセンサを作り，システムを構築することは，喫緊の課題であると認識されている.環境に存在する温度差から電気エネルギ一を生み出す熱電変換技術は，センサを無給電化し，メンテナンスコストの小さいIoTセンサシステムを構築するために必要と考えられている.応用物理学会シリコンテクノロジー分科会では，このような状況を勘案し，「熱電変換材料の開発とデバイス応用の最前線」と題した研究会を，2016年10月14日，産業技術総合研究所（つくば）において開催した.研究会では，生産コストが低く，従来のシリコンテクノロジーとのマッチングもよいSi，GeなどIV族材料をベースとした熱電変換材料•デノヽ'イス技術に関して，筆者を含む5人の講師が講演を行った.