韓国地下鉄におけるスマートインフラの実践例

摘要

ソウルでは現在九つの路線で127.1kmの地下鉄が運行中である。このうち、1～4号線はソウルメトロ、5～8号線はソウル都市鉄道公社といった公社組織がそれぞれ運営を担当しているが、9号線だけは民間企業であるソウルメトロ9号線㈱が所有し運行している。ソウル市は、1974年に最初の地下鉄が開業して以来一貫して低運賃政策を実施してきた影響で、地下鉄の建設および運営による莫大な財政赤字を抱えており、ソウル市の財政を圧迫する一番の要因となっている。こうした事情から、近年、地下鉄の運営主体はコスト削減および経営効率の向上を厳しく要求されており、各組織はICTなどの活用といつた低予算で実現可能な鉄道施設の維持管理手法の効率化に精力的に取り組んでいる。