軽減された高速道路の被害:耐震補強効果と今後の課題

摘要

高速道路ではまず、震源に近い九 州自動車道の益城熊本空港IC付近 で被害が発生した。14日の前震によ り盛土法面の崩落、路面陥没や橋梁 ジョィント部での段差などが確認さ れ通行止めとなつた。この前震によ り震源に近かつた木山川橋では大き な惯性カが作用して被害が発生した。 酎震補強を行つていた橋脚は何とか 持ちこたえたものの、支承およびそ の取り付け部の被害が確認されてい る。前震により木山川橋の主桁は南側へ約400mm移動したことが報告 されている。続く16日の本震では同 様の区間がさらに激しぃ揺れに見舞われ大きく被災した。本 震により木山川橋の主桁 は北側へ約800mm移動 したことが報告されてい る(写真1)。また、本震 では前震により通行正め となつていた区間にかか る高速道路を跨ぐ跨道橋 である府領第一橋の落橋 も発生した。府領第一橋 はロッキングピアを有す る橋梁で、橋台部分は縁端拡幅と横変位拘束構造の耐震補強 が施されていたが、16日の本震の際 に橋軸直角方向に大きな惯性力を受 け横変位拘束構造を破壊して落橋に 至つたと考えられる。同様の構造形 式を有する熊本インターチェンジのランプ橋である東原橋にも被害が発 生した。本震によりロッキング橋脚 は傾き、橋台部分の支承は移動し、橋 台部のコンクリートは損壊して、橋 桁と道路の接合部にも段差と横ずれ が生じた(写真2)。落橋した府領第一橋はすでに撤去され、同様のロッキ ングヒアを有する東原橋ではラメ ン構造化を図るなどの耐震補強工事 が完了している。木山川橋から少し 北に位置する秋津川橋でも被害が報 告されている。秋津川橋はの前.