「認証表示の意味と効果と今後の課題」-食品認証事業者に見る認証の効果、 認証の活かし方、そして今後の課題-

摘要

筆者は有機の検査員として一五年前から食品の検査業務に関わつて以来、消費者が安心して食品を購入でき、管理が徹底した生産者及び製造業者が客観的に評価されるためにしつかり確認検査をする、というスタンスで認証業務に関わってきた。昔は農産物の生産地と消費者との距離が近く、または八百屋、肉屋、魚屋等が生産者に代わつて商品情報の伝達の役割を担い、消費者と生産者の間の関係を繋いできた。しかしながら、最近では多くの消費者は大きな量販店で食材を買い、以前のような店の売り手と消費者の間のやりとりは少なくなつた。また、食品の品質保持や物流システムの技術が発展した昨今では遠方から食品が運ばれてきて販売されるような状況となり、消費者が生産の状況を確認して買うということは一層困難になつてきた。