W添加9-12％Crフェライト系耐熱鋼におけるクリープき裂成長寿命予測式の高精度化に及ぼす化学成分，材料組織の影響

摘要

近年，CO_2，NO_X，SO_X等を多量に排出する石炭火力発電プラントでは，環境負荷低減化に向けた高効率発電技術の開発が要求されている．そこで，高効率ボイラおよびタービン用耐熱材料として高W添加9-12％Crフェライト系耐熱鋼が開発されている．これらの材料について，平滑材を用いたクリープ引張り試験やシャルピー衝撃試験等による基本的な機械的性質が求められている．しかし，実際に構造物のコンポーネソトとして使用する場合，何らかの外的負荷要因により，き裂が発生し，損傷形成が進行する可能性がある．そこで，著者の一部は，従来から提案されてきたき裂成長寿命予測法をもとにこれらの材料に対してクリープき裂成長試験を行い，クリープき裂成長速度則と成長寿命則を導いた.