合成からー転,分 解 に賞

摘要

2016年のノーベル医学•生理学賞は東京 おおすみよしのり 工業大学の大隅良典栄誉教授（71歲）に贈 られ，12月10日にスウェーデンのストツ クポルムで催された授賞式には萬里子夫人も 出席された。授賞の対象となった研究テーマ は「ォ一トフアジ一（自食作用）のメカ二 ズム発見」である。 自食作用とは，生物の細胞の構成素材であ るタンパク質などが細胞内で分解される生理 現象のこと。過去数十年間は世界中の分子生 物学者たちは一貫してタンパク質の"合成" 過程の研究を推進し，遺伝子の働き方まで詳 細に解明してきたが，大隅さんは一転して， 不要となった細胞成分の"分解"過程に目を 向け新事実を明らかにしてきた。