特集にあたって

摘要

2019年も残すところわずかとなりました。皆さまにとってどのような一年でしたでしようか。今年，日本にとってうれしいニュースのーつに，リチウムイオン電池を開発された旭化成名誉フェロー吉野彰氏のノーベル化学賞の受賞がありました。二次電池はいまやモパイル機器になくてはならない存在ですし，電気自動車への活用も始まっています。現在連載中の「環境対応車の技術講座」でも詳しく解説されていますが，二次電池の性能向上には電極材料の微細構造の制御がきわめて重要です。そしてそれは，優れた加工•プロセス技術や解析技術がなければなしえません。これらの技術は日本が得意とするところであり，電池のみならず電子材料や半導体といったナノテクノロジー•材料科学の分野においては，まだまだ強い国際競争力を維持して優位に立てるのではないでしょうか。若者の理科離れや論文数減少など現状を憂える声が目立ちますが，自信と希望を感じられる話題にも是非注目したいところです。