東日本大震災からの農業復興支援モデル: 東京農業大学10年の軌跡

摘要

被災地の地元ではない東京農大が10年にわたり農業復興支援が継続できた要因としては，以下のようなものがあるといえよう.1.市長と学長(現理事長)のトップ間の信頼関係2.教員の研究分野と復興ニーズの接点づくり3.毎年開催する地元での活動報告会の継続本学の被災地支援の取り組みは今後も継続していく予定である.時代の変化とともに大学の役割も多様化している.本学の農業復興支援の取り組みは，「社会に必要とされる研究」の枠を踏み越えて，「社会に必要とされる大学」としての模索の一環とも言うことができるであろう.