編集後記

摘要

本号の特集は「持続可能な水インフラをつくる」である.「言葉の玉手箱」冒頭にあるように，水ィンフラには水に関する様々な施設やそれを使用する事業-活動が含まれるが，特集各論文はいずれも，水道施設あるいは水道事業に焦点を絞っている.またいずれの論文も，2018年12月公布（2019年10月に施行予定）の改正水道法において，同法の目的が従来の「水道の計画的整備」から「水道の基盤の強化」に変更されたこと，そして基盤強化のために「官民連携」と「広域化」が強く打ち出されたことの背景や政策的意図，問題点や課題をめぐって考察が進められている.各執筆者の論考や主張には共通している部分も多いが，当然ながら，異なっている点やオリジナルな点もみられる.違和感のある論及や新鮮な知見に出会うこともあるだろう.読者諸氏がそれらの発見を楽しみつつ，自らの知識と考えを深めていただければ幸いである.