16世紀後半ヴェネツィア社会の特質からみたテアトロ?ミキエルとテアトロ?トロンにおける上演について

摘要

本稿では、テアトロ?ミキエルとテアトロ?トロンが建設された16rn世紀後半のヴェネツィアが、急激かつ多様な社会的変化に直面したrn時代であったことに着目し、そこから、劇場の建設と上演、閉場のrn実態を考察した。本稿で明らかにしたのは以下の点である。rn1）　2つの劇場が建設される以前のヴェネツィアでは、単なる古rn典劇の模倣ではない独自の喜劇が発展し、その中には後のコメディrnア?デッラルテにも通じる要素が確認できる。%This is the third part of the study on the two theaters for comedies built in 1581 in the parish of San Cassiano. In the latter half of the 16th century, Venice confronted dramatical changes in political and economical terms. The purpose of this paper is to clarify the realities of the opening, the presentation and the closure of these theaters, from the view point of characteristics of the Venetian society.