子ども•保育者とあそび空間とのかかわりに着目した自由保育場面の音環境調査

摘要

幼児期は、家族関係から地域社会とのふれあいへと人間関係を広げてゆく、社会性を獲得する重要な時期である。子どもにとっては保育所，幼稚園，認定こども園などの幼児施設がその大きな役割を担う場所であり、保育者や子ども同士など人的環境、そして園舎環境といった物的環境とが子どもの学びに与える影響は極めて大きい。昨今の保育の需要の増大に伴い施設の増加が余儀なく求められているが、子どもを取り巻く環境の設定は大きな課題であるといえよう。子どもの学びは日常の活動を通して起こっているものであり、こうした学びの質へはその場を取り巻く環境、いわゆるその場の"居心地"が、直接的ないし間接的に、かつ多様な形で関連していると考えられるからである。