高齢者居住施設における介護単位の違いが介護職員の勤務体制および介護内容に与える影響に関する研究

摘要

高齢者居住設の空間構成およびケアに関する中核的な理論として生活単位と介護単位の小規模化がある。生活単位の小規模化については、主に認知症高齢者グループホーム(以下、GH)を対象とした研究から住宅に近いスケール感ゃ入居者同士のなじみの関係、台所や洗濯室等の設備を通した残存機能の活用などが認知症の症状を緩和させる事が明らかにされている。介護単位の小規模化についても介護動線の短縮や個別ケアの実践、職員と入居者のなじみの関係の構築、間接介助の効率化などの効果が明らかにされている。さらに、2003年に制度化された小規模生活単位型特別養護老人ホーム(以下、ユニット型特養)では、質の高いケアと生活の実現のためには生活単位と介護単位の小規模化と、その一致が必要であるとされている。