ネパールの世界文化遺産登録都市における都市型住居の外観意匠類型: バクタプル東部の都市街区を事例に

摘要

本稿の第一義的な意義は、ネパールの町家の外観意匠類型手法の提示にあるが、得られた知見とまとめは、以下のようである。1)現地調査を行い外観意匠調査シートを作成し、調査対象街区の特徴的な外観意匠について把握し、IC型データを作成した。この際、バクタプル市の建築条例も参考とした。2)IC型データに前稿で論じた庇タイプを取り入れて多重対応分析を行うことにより、合計13種類の庇タイプごとのバリエーションを得た。特に3，4階傾斜庇タイプと3，4階水平庇タイプでは、伝統的な外観意匠要素を持つものから近年のものまでの類型を得た。また、3階水平庇タイプ以外の全ての庇タイプの外観意匠類型を得た。