在日ウイグル族の起居様式の変化を通した床上文化の考察 異なる住文化への環境移行に伴う住まい方の変容に開する研究

摘要

国際化の進展により、異国で生活することがー般化している。異国への生活拠点の移動に伴い、異なる住環境や住様式への適応が求められるが、その際に住文化はいかに継承されるのかが着目される。同時に昨今、日本の住様式の独自性の見直しが進んでおり~(注1))、その1つにユカ座が挙げられる。ユカの上で寝起きする起居様式（人間の立ち居振る舞いの行動様式）は、欧米とは明らかに異なる特異な様式として知られ、研究の蓄積も多い。しかしながら、アジアをはじめ、アフリカや南米にも伝統的に見られる様式であり、これら文化圏との共通点、あるいは差異については判然としない。