自転車交通ルールの認知と自転車運転行動及び走行環境との関係

摘要

自転車は、日常生活における身近な移動手段として、子どもから大人まで利用されている。また、東日本震災以降、健康意識や環境保全意識の高まりから、自転車の有用性について注目されている。さらに、平成29年5月には、自転車利用の推進を目指した「自転車利用推進法」が平成29年5月に施行され、一層の自転車の利用と活用の進展が予想される。その一方で、自転車交通事故の危険性について指摘されている。我が国の自転車加害者の特徴として、自転車事故の約6割が利用者の自転車交通ルール（以下、ルール）違反が原因であり、10代から20代前半が加害者となるケースが多いといった特徴が挙げられる。加えて、これらのケースは、90%以上が何らかのルール違反を犯している。さらに、状況によっては意図的にルールを守らない利用者が存在することも報告されている。しかし、自転車交通事故の削減を目指す上で、利用者がルールを遵守することは必須であるものの、各ルールの遵守意識に影響を与える要因や特徴まで特定されていない。