漁村集落における屋外の構成と滞留の場に関する事例研究: 瀬戸内海の離島集落における屋外環境整備に関する研究　その1

摘要

本格的な高齢社会を迎えて、平成28年7月、厚生労働省は「地域共生社会」という新しい地域福祉の概念を公表し、誰もがその一員として身近な地域で安心して暮らせるよう地域包括ケアシステムの構築を目指すことを明らかにした。高齢者が最期まで在宅で暮らし続けるためには、高齢者の一人ひとりが自己の健康状態などの現状に即して各々の生活の質を向上させるとともに、それを支える居宅サービスが重要と考える。しかし、人口减少が深刻化し過疎化や高齢化が加速する離島や中山間地では、居宅サービス事業者の参入が極めて少なく個々人のニーズが反映されるサービスの提供が不充分であることから、それを補うためには公的な居宅サービス等に加えて地域住民で支え合う環境づくりが求められると考える。健康自立寿命延伸のための高齢者の交流や地域活動を促す物的•社会的環境の整備、および、地域での高齢者の自立的生活のための住環境やケアシステムの整備に対する施策が急がれる。%The village studied in this research is Onoura, a village m lovo island found in the Seto inland sea.Onoura has a unique landscape with high-rise, high-density housings and narrow alleys. With depopulation and aging in the area, the quantity of vacant lands have increased. This paper aims to describe how the village of Onoura is supporting everyone, especially the elderly through productive outdoor socialization. Also, this paper aims to analyze the distribution and behaviors of the people in the public area of Onoura and how they solve the problems in the physical structure the area.