岡さんのいえTOMOにおける多主体連携による改修工事プロジェク卜の試み: 住宅を活用したコミュニティスぺースの改修方法に関する研究

摘要

空き家等をコミュニティスペース（地域の交流の場やまちの居場所）として活用する事例が増えている。一般に私有財を特定の個人に貸す場合は，その個人が対価を支払えば良いので問題は単純であるが，地域の人々に活用してもらうような場合は，誰が資金を提供し，改修や運営の労を担うかが大きな問題となる。本研究は，自宅の一部をコミュ二ティスペースとして活用する改修工事を，オーナー，財団，建築士の職能団体，民間企業，金融機関，行政などの多主体が連携して取り組んだプロジェクトを事例として，背景と体制，改修工事や資金調達の実態を報告し，その成果と課題を分析したものである。多主体連携の組織体制やクラウドファンディングを含む多様な資金調達の実態を具体的に報告するとともに，多主体連携を推進する上で，公共·民間·コミュニティ等の異なるセクターの主体を媒介する財団や職能団体が大きな役割を果たすことを示した興味深い研究といえる。%This paper reports the renovation project of "Okasan's house" by multi-actor partnership in Setagaya-ward, Tokyo. In addition, this paper aims to consider the meanings of this renovation project by multi-actor partnership, focusing on the intermediate support organization and the local association of architectural firm. This study indicates the meanings as follows; 1) To present the possibility of new support for community space by the intermediate support organization, 2) To present the possibility of support for community space renovation by architect's professional organization.