自己炎症症候群の遺伝子異常

摘要

1.自己炎症症候群は，繰り返す全身性の炎症をきたす症候群で，感染症や膠原病に頬似しているが，病原体は検出されず，自己免疫反応にも乏しい．2.遺伝性周期熱症候群が代表的な疾患であり，遺伝子変異によりコードする蛋白の異常で病気が生じる．3.不明熟の鑑別疾患として，自己炎症症候群は認知されてきたが，典型的な症状を示しても，遺伝子変異が同定されない症例は多い．4.病態に応じた治療が可能であり，サイトカインを標的とした生物学的製剤の有効例が多い．5.近年，NLRP3体細胞モザイク，ル旺Fレバリアント，新しい自己炎症症候群の疾患遺伝子などが報告され，自己炎症症候群の遺伝子に関連した研究が発展している．