離陸するか?電子書籍下 米国では全出版物壳上の2割に 日本にも飛躍の可能性示す事例

摘要

電子書籍にユーザーが求めるのは、「安い」「早い」「豊富な品ぞろえ」など、ネットならではの利点だ。このうち「早い」の機能は電子書籍で既に実現している。しかし日本市場では、そのほかの機能を満たすことができず、"電子書籍元年"は毎年、空振りに終わってきた。今回、にわかに高まってきた電子書籍推進の動きは、これらを克服するものなのか、課題を考えつつ可能性を探ってみる。電子書籍で最大の利点は、本の価格が安くなることだろう。100万冊の書籍、150紙以上の新聞、60冊以上の雑誌を扱う米キンドルストアでは、新刊の単行本(定価27ドル程度)が半額から3分の1程度で販売されている。売り上げは急增し、今春には紙の書籍を上回つた。一般的な本のコストの内訳は、書店や取次業者のマージンが3-4割、印刷費·紙代·製本代などガ2-3割と言おる。ところが電子書籍では、紙の本は不要で、流通も出版社から読者への直接配信が可能だ。つまり紙の本でのコストの大半をゼロにし、著者の印税、編集費用、出版社利益、課金など電子販売上のコストは劇的に小さくなる。