マルチスタティック観測によるレーダ動画像を用いた目標の運動と3次元形状の推定方式とその精度解析

摘要

Inverse synthetic aperture radar (ISAR) is one of the radar techniques used to observe two-dimensional images of a remotely based target using radio waves. If we keep observing the target and consecutively generate multiple ISAR images, which we call ISAR movie, the target image varies considerably due to the motion of the target. The authors have proposed an algorithm to estimate the relative motion and the three dimensional shape of the target using multistatic ISAR movie. In this paper, the performance of the algorithm is analyzed.%逆合成開口レーダ（Inverse SAR：ISAR）は，レーダを用いて目標の2次元画像を観測する手段として広く用いられている．筆者らは，マルチスタティック観測によるISAR 動画像を用いた目標の運動と3次元形状の推定方式を提案している．本稿では，提案方式の性能評価結果を報告する．提案方式は，目標を構成する散乱点の速度と加速度を推定する第1のステップと，推定された速度と加速度の値を用いて，目標の回転運動と散乱点の位置を推定する第2のステップから構成されるが，まず，第1のステップにおける速度と加速度の推定精度について，CRLB（Cramer-Rao Lower Bound）を用いた推定精度の理論解析を実施し，次いで，第2のステップにおける目標回転運動と散乱点座標の推定精度を計算機シミュレーションによって評価した．評価の結果，例えば基線長2m，距離10km，波長1cm，ISAR画像1枚当たりの観測時間1.28秒，動画フレーム数5，フレーム間隔0.64sec，SNR＝25dB の場合，散乱点位置の推定精度は約1.5m 以下であった．ただし，SNR が20dB 以下では位置推定精度が大きく劣化することも分かった．