無声放電によるディーゼル排ガス中のNOx除去におけるエネルギー効率改善法の理論的検討

摘要

一つのマイクロ放電について，その微細構造を軸対称一次元，及び二次元モデルを用いて内部で起こるNOx除去反応を数値解析し，放電パラメータ（電流密度，放電柱半径，放電継続時間）や放電発生地点の変化がNO除去性能に与える効果を検討した。得られた知見は以下の通りである。（1）放電の基本条件（J,r，τ)を変えてNO除去性能に与える影響を検討した。得られた知見をまとめると，マイクロ放電柱の大きさを小さく，かつ短い継続時間で発生させること，すなわち，放電一つのエネルギーを小さくすること，そして電極全体に数多く発生させることがNO除去性能向上にとって望ましい。（2）放電発生地点を移動させた検討より，ガスの同一箇所に繰り返しマイクロ放電を起こすよりも，常に異なる場所へマイクロ放電を起こすことが効率的であることという結果を得た。すなわち，この結果より放電柱が気流によって流されること無く，気流の中にあっても常に放電発生地点が一定地点に固定されるような電極が望ましいと考えられる。