マイルド浸炭用鋼MSB20の開発

摘要

近年，CO_2排出量低減による地球環境の保護や資源エネルギー問題への対応が強く求められており，自動車産業では 自動車の燃費向上が最重要課題となっている。燃費向上対策 として，各自動車メーカーでは長期的な視野に立ち，内燃機 開を電動モーターに置き換えるなど, パワートレイン系の変 革を見据えた研究開発を推進している。パワートレイン系 の構造変化は徐々に進行すると予想されるが,駆動系部品の 高強度化を図り，駆動系ュニットを小型軽量化することは， 燃費向上の基本方策として今後も重要な技術課題である。歯 車は，自動車の動力伝達や変速を担う代表的な駆動系部品であり，JIS SCM420をはじめCrやMoを添加した鋼材に，浸炭焼入れして製造される場合が大半である。従来歯車の高 強度化は，浸炭焼入れを前提に高合金材料の適用が指向され， 例えばCrやMoの添加量を増量した歯車用鋼が開発·実用化されてきた。