マイルド浸炭用低合金鋼MSB20の開発

摘要

環境問題として地球温暖化はCO_2などの温室効果ガスによって引き起こされ、自動車からの排出が全体の約2割を占めていることから、より低燃費な製品の開発が重要となる。アイシン·エィ·ダブリュでは小型·軽量なオートマチックトランスミッションを商品化してきた。それに伴い部品もサイズダウンするため、強度を左右する材料と熱処理の依存性が増大している。その為、かつては炭素鋼を使った高周波焼入れからCr·Moなどのレアメタルを含む合金鋼を使ったガス浸炭焼入れへと切り替わってきた。しかし、近年レアメタルは価格高騰や産出地域の偏在等の理由から、今後の安定供給について危機感が高まりつつある。本稿ではマイルド浸炭プロセス用に最適設計したレアメタル低減鋼について解説する。