在宅医療の推進に当たつて求められること

摘要

65歳以上高齢者の医療費と介護サービス費の総額は、介護保険実施2年目の2001年度の2兆6558億円(うち75歳以上11兆8170億円)から2年度31兆7724億円(同21兆8862億円)へと経済成長率を大きく超えて12年間で1.62倍(同1.85倍)に増加している。また、死亡前1カ月にかかつた医療費(終末期医療費)は、やや古いデータであるが、1人当たり平均112万円で、総額9000億円(国民医療費の約3%)となっている(02年度。年間死亡者数98万人、うち医療機関での死亡者数は80万人)。近年、死亡者数は年間3万人ほど増加し、15年には130万2000人となっており、今後当分の間、多死時代が続き終末期医療費が増加していくものと推測できる。