食品中の放射性物質の新たな基準値について（平成24年5月　第103回　日本食品衛生学会学術講演会シンポジウム: 食と放射能を考える）

摘要

平成23年3月の東日本大震災に伴う，東京電力株式会社福島第一原子力発電所（以下，福島原発という.）の事故により環境中に放射性物質が放出される事態となった.これを受けて厚生労働省は，飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し，もって国民の健康の保護を図る観点から，3月17日に速やかに，原子力安全委貞会（当時）が示していた「飲食物摂取制限に関する指標」を食品衛生法に基づく放射性物質の暫定規制値として設定した.都道府県等では，厚生労働省が定めたガイドラインなどを踏まえて計画的に食品のモニタリング検査を開始し，検査の結果，暫定規制値を超えた食品については，必要に応じ，出荷制限等を実施してきたところである.