動物分類学の基礎-2.新種の発表

摘要

20世紀末から生物多様性や地球環境の保全に関する話 題がマスコミにしばしば登場するようになった. それに 伴って.生物の新種や絶滅危惧種がニユースに登場する機 会も増えている. ニホンウナギが国際自然保護連合によっ て絶滅危惧種に指定され，日本のマスメデイアが大々的に 報じたことは記憶に新しい. 一方，生物の新種について は. 分類群によって取り扱いに大きな違いがある.哺乳類 や鳥類などの新種が見つかるとマスコミで話題になること が多い. 哺乳類や鳥類は古くから詳しく研究され，新種が 発見されることは滅多にないためマスコミ関係者の興味を ひくのであろう.それに対して魚類の新種は世界各地から 1年に数百種も発表され，日本からも毎年10種程度の新 種が見つかっている. このため魚類の新種がマスコミに 登場する機会は少ない.