3層固相ミニカラムを用いたGC-MS/MSによる農産物中残留農薬分析法の検討

摘要

今回検討した試験法は，食品のQuEChERS法抽出液を，3層固相ミニカラムInertSEP C18/SAX/PSA(200/100/100 mg,1 mL)により精製して，ァセトニトリルを除去の上，アセトンおよびn-へキサン(15:85)混液に溶解し，胃袋型ィンサート•大量注入口装置搭載GC-MS/MSにより測定するものである.本法では，抽出から精製までの工程で使用する溶媒はァセトニトリル1種類のみで，使用量は抽出および固相のコンディショニングとあわせて15 mL,精製からGC-MS/MS試験溶液を得るまでの工程数は5のみである.通知試験法その他の既報で示された試験法2)～7)よりも，操作が簡便で，使用する溶媒の種類および量についても少なくすることができ，一定の精製効果も確認できた.さらに，試験溶液をァセトニトリル溶液のまま測定する測定条件を確立できれば，前処理に要する時間が短縮され，操作もより簡便となる.この条件について引き続き検討を行った上で，幅広い種類の食品を用いて妥当性評価試験を行うことにより，食品中に含まれる農薬の簡易迅速分析法として確立していきたい.