下水道と2007年問題

摘要

2007年問題とは，団塊世代の大量退職をめぐる問題として一般的に理解されているが，その捉え方や認識の仕方は必ずしも一様ではない。たとえば，「行政のスリム化（人員削減）を図る千載一遇のチャンス」と捉える立場がある一方で，「人員の激減に対応し執行体制の維持をどう確保するか」「技術・ノウハウの継承や移転をいかにして図るか」という現場サイドの苦悩があるとともに，「事業アクターと最終保障責任のあり方をどのように考えるか」といった制度論に通じる議論もある。