テレビカメラ調査診断結果による下水管きょの劣化予測

摘要

民間開発団地におけるテレビカメラ診断結果から汚水管きょの劣化予測を試みた。 国土交通省国土技術政策総合研究所は，合流式管きょの診断結果を「劣化発見率」として整理 し，劣化発見率が管きょの経過年数とともに増加していることを明らかにしている。 その整理結果から，管きょの劣化はある一定の確率で年々進行すると考えた.筆者は,これに もとづきマルコフ連鎖という確率的な考えを用いた予測式を民間開発団地の一部に適用し，調査 時の劣化度を再現した。同じ団地の他調査区域の診断結果と比較することで予測式の妥当性を検 討した。また，前記の合流式管きょの「劣化発見率」の経年的推移により，予測式に用いた推移 確率xが経過年数によらず一定と考えて差し支えないことを示した。 今後は，診断と解析事例を増やし，推移確率xと布設工法や埋設条件などとの相関を明らかに できれば，カメラ調査を行わなくてもある程度の劣化予測が可能になると考えられる。