編集後記

摘要

松田美智子著「サムライ 評伝 三船敏郎」はまごうことなき「国際的スター」の評伝であり、巷間囁かれた黒澤明との確執など、様々な「噂」や「謎」の真実に迫った好著である。まず印象に残ったのは、取材された誰もがロにする三船敏郎の謙虚さや他人に対する気遣いと気配りの素晴らしさである。世の中いつでもどこでも「本当に有能な人」は威張らない、偉ぶらない、差別しない。それは「組蛾」とか「役職」を笠に着ないで、自分自身の等身大だけで勝負するからで、そこに「虚勢」や「権威」「権力」が入る隙はない。