2008年におけるわが国の原子力政策の課題: 国際社会の期待の高まりに対応した取り組み

摘要

原子力委員会は2005年に原子力政策大綱を決定し た。この大綱は、わが国が今日、世界第3位の規模 の原子力発電設備と非核兵器保有国では唯一、再処 理を含む核燃料サイクルシステムを有していることを 踏まえて、今後の原子力政策の基本的目標を、わが 国のエネルギー安全保障や地球温暖化対策に果たす 原子力エネルギー技術の役割を一層充実・強化する こととし、そのために、平和目的への限定、安全の 確保を前提に、国際社会との協調と協力を重視し、 短・中・長期の視点に立った多面的・総合的な取り 組みを同時並行して推進するとともに、施策が経済 性、社会的受容性、公共の福祉の観点から効果的で 効率的なものになっているか絶えず評価することを基 本理念として、1）原子力の研究、開発および利用に 関する基盤的活動の整備、2）原子力利用の着実な 推進、3）原子力研究開発の推進、4）国際的取り組 みの推進の各分野における施策の基本的方針を示し ている。