固体酸化物形燃料電池（SOFC)材料およびシステムの開発動向

摘要

固体酸化物形燃料電池（SOFC)は，家庭用燃料 電池（エネファームType-S)が2011年に商用化さ れて以来,着実にその数が増え，現在2万台超が販 売·設置されている（2017年4月現在，PEFC型を 含めたエネファーム総販売台数は20万台を超えてい る）。その特長は，0.7kWの比較的小さな発電出 力ながらも，LHV 52%という高い発電効率を出せ る点である。給湯の効率も合わせると，90%以上の 都市ガスが電気と熱に変換される。発電•給湯シス テムとして浸透し始めたエネファームType-Sであ るが，本格普及には，更なるコスト低減，効率向上， 耐久性向上，運転性向上などいくつかの技術課題が 残っており，研究•技術開発が進められている。ま た，3kW-250kWの発電容量を持つ，業務•産業 用燃料電池（SOFCのみ）も2017年度より商用化され， 導入補助金制度による普及促進が始まっている。 また.海外に目を向けると，家庭用コージエネレー ションよりも大規模な産業用，火力代替用への適用 が検討され，実証段階である。