浄水場における遊離残留塩素の紫外線分解に関するー考察

摘要

浄水場における塩素注入システムの自動化•最適化に向け，浄水プロセスにおける残留塩素の消費-分解を予測するためのモデル構築を進めている。遊離残留塩素は，多くの浄水場で用いられている開放型フロック形成池や沈澱池において，日中の紫外線により分解される。そこで，紫外線量を考慮した遊離残留塩素の分解モデルを立案•構築し，晴天時の浄水場内におけるB領域(280-315nm)紫外線照射量と浄水プロセスにおける遊離残留塩素濃度の測定を行つた。その結果， 分解に寄与する紫外線量は，水の紫外線透過率だけではなく，少なくとも濁質および凝集フロックにも影響されることが判明した。