艦艇装備研究所における無人航走体技術への取り組み

摘要

3D任務に適している無人航走体は、特に軍事用としては、情報のリアルタイム伝送が求められる。今回の試験でUSVとUUVが自律的に協調しながら並列航走を行い、UUVが取得した水中情報をリアルタイムに伝送することができるシステムの実現に見通しを得ることができた。艦艇装備研究所ではそのほかに推進技術の研究も実施しており、長時間にわたって潜行可能な無人航走体の実現に向けた研究を行っている。さらに無人航走体を長期間にわたって自律的に運用し、効果的なオペレーションを実現するためには、無人航走体に搭載可能なセンサに関する研究も進めていく必要がある。将来、人的資源が限られていく中、艦艇装備研究所としては、さまざまな課題や不安定要因がより顕在化•先鋭化してきているわが国周辺の安全保障環境において、実効的な抑止および対処に必要となる将来の海上防衛力の整備に貢献するため、有人機の任務を補完する装備品として有望な無人航走体の実現を目指している。今後も他の技術的課題の解明に取り組み、信頼される装備品の創製を続けていきたいと考えている。