これからのトンネル建設技術開発に期待すること

摘要

地盤内に使用目的に応じた所定の設計断面を包含する空間（トンネル）を安全かつ経済的に構築し，供用期間中はその空間を確実に保持する設計をトンネル建設工事では期待されている。空間を保持するためのトンネル建設技術は大きく 3つに大別される。まずは，比較的強度の大きな岩盤中に空間を構築する山岳トンネル工法，都市部の軟弱な地山に大型の掘削機を使い掘削し，コンクリートや鋼でつくられたセグメントで地盤を支持するシールドトンネル工法，地盤を地上から開削しその中に鉄筋コンクリートによる躯体を構築し再度埋め戻す開削トンネル工法などである。これらの工法の違いはトンネル周辺の地盤による補強効果をどの程度期待するかに依存する。