伝統的な河川工法を活用した取り組み: 施工経験や知識の蓄積による技術継承を目指して

摘要

河川工事においては、これまでも木材や石材等の自然素材を使用した工法(以下「伝統的な河川工法」という)が多数用いられている。伝統的な河川工法は、多くの工法で木材•石材を使用するため、材料そのものが河川の風景に馴染みやすくなり、多孔な構造であることから、動植物が生活しやすい生態系に配慮した環境を創出でき、多自然川づくりを行う上で有効な工法であると考えられる。また、今回使用した松杭梯子胴木工は、施工後の地盤変化への順応性が高く、短期的だけでなく長期的な構造物の安定も期待できるが、近年施工事例が減少してきている状況である。