つくばCLT実験棟の実践: 実験棟建設を通してみるCLTパネル工法の課題と可能性

摘要

2016年4月に告示が施行され、CLTの建築が可能となった。この施行を前に、実証および工法に関しての検証を目的としてつくばCLT実験棟を建設した。国内でも事例の少ないCLT造の建築物として、今後のCLTパネル工法の普及を目指し、公開している。CLTの有効性を活かすことで、建物の荷重の軽減や施工の効率化、環境性能向上が期待できる。これには、実例による経験の蓄積と設計の適正化、安定した材料供給、そして、木材とCLTパネルのサプライチェーン構築が必要となり、市場における普及拡大にも必須となるだろう。今後、建設されるCLTを用いた建築に向けて、耐久性や経年変化の実例としても、つくばCLT実験棟を活用される予定である。国内の森林資源の活用を目指して、都市•建築の木質化の可能性を広げることを期待している。