防火シャッター異常作動事故と危害防止装置の義務化

摘要

1998年4月14日朝、埼玉県浦和市の小学校の1階から2階への階段の1階の防火シャッターが突然降り始めた。折しも、教室に急ぐ3年生（8歳）児童がシャッターを潜り抜けようとした。不運にも、児童のランドセルがシャッターに引つかかり、児童は降下箇所を潜り抜けられずにシャッターと床面の間に首を挟まれた。駆け付けた教員が鉄パイプや椅子を使ってシャッターをこじ開け、児童を救出して病院に救急搬送したものの、当日夕刻に収容先の病院で死亡するという痛ましい事故となった。非火災時に起きたこの事故の異常降下の原因は、当日までの天候による多湿状態で感知器が反応してしまったことによるものとされ、関東地方では当日前後に同様の誤作動が防火扉を含め多数報告されている。