リオデジャネイロ•オリンピックでの警戒任務にも従事するブラジル陸軍航空隊

摘要

南米最大の国土面積と人口を誇るブラジルでは、2014年のFIFAサッカーワールドカップに続き、この夏にはリオデジャネイロ•オリンピックが開催中ただ。ただし経済状況が不安定で治安の問題を抱えている同国では、こうした国際イベントを成功させるためには軍による警備が必要で、陸軍が保有するヘリコプター航空隊もその一翼を担う。多くの国では陸軍は独自の航空戦力を保有しているが、ブラジルのそれは1986年の設立と比較的新しい。1914年には陸軍所属の偵察機パイロットが誕生したものの、第二次世界大戦のころに新たな軍種である「空軍」が発足した際、海軍と陸軍の航空部隊は空軍の傘下に編入されている。1985年、新たにAviacaodo Exercito(陸軍航空隊)編成が決定し、各旅団に航空隊を配置する計画にもとづきサンパウロとリオデジャネイロの中間に位置するタウバテ陸軍施設に1°BAvEx(第1陸軍航空大隊)とDMAvEx(陸軍航空資材軍団)が設立された。その際、アエロスパシアル(現エアバス)、MBB(現ユーロコプター)、ベル、IAR(ルーマニア)、シコルスキーなどから航空機調達案を受け、結果アエロスパシアル案を採用しHA-1エスクィーロ(「HA」は攻擊ヘリの意)の制式名でAS350L116機を、HM-1パンテーラ(「HM」は輸送へリの意)の制式名でAS365K36機を導入、現在の航空隊の礎を築いた。