赤外吸収法を用いた筒内局所温度・残留ガス濃度の同時計測

摘要

（1）TDLから発振した赤外光に高周波で波長変調を行い，変調周波数の2階成分を検出するWMS-2f法を用いた筒内温度，残留ガス濃度計測装置を開発した，（2）計測装置は7.5kHzの時間分解能を有し，圧力0.1MPa-5.0MPa，温度500K-1050Kにおいて，点火プラグ近傍の局所計測（光路長10mm）が可能である．（3）モータリング時の計測データばらつきから推察されるエンジン適用時の計測精度は，温度計測にて4.1％水のモル分率計測にて6.2％である．（4）本計測を用いることで，発火運転時の残留ガスとの混合による燃焼前ガス温度，および残留ガスによる水のモル分率の上昇代を実機エンジンを改良することなく定量的に計測可能とした．（5）また，点火時期を変えた場合，点火時期進角した方が圧縮行程後半における筒内ガス温度が高くなること，およ　び吸気管圧力が低いほど筒内の残留ガス割合が増大することを実験的に明らかにした．