シミュレーションとAIを活用したショックアブソーバの乗り心地評価予測

摘要

高い乗り心地性能の実現は，ショックアブソーバ開発の技術課題のーつである.一方で，乗り心地性能の評価はドライバの感性によるところが強く，実際の性能改善では官能評価に頼った要素部品改善やチューニングが繰り返される.このような非定量的な製品開発は初期設計段階から明確な開発指針が立てられず，開発後期においても官能評価に対する効果的な改善を困難にする.この根本的な原因として，①要素部品の車両挙動への影響と，②車両挙動と官能評価の相関性が不明確であることが挙げられる.これは，ショックアブソーバの開発はもちろh車両全体の開発期間を逼迫させ，乗り心地性能面だけでなく品質面への開発にも影響する.