低線量率放射線による放射線抵抗性の誘導とヒト疾患モデルを用いた影響評価

摘要

人は常に地球から発せられる放射線や宇宙から飛来 する放射線などにさらされている。そのような中で適 応馴化してきた人類は放射線から身を守るためのさま ざまな機構を獲得している。このような生体のもつ応 答機構には一定のキャパシティーがあるため、多くの 放射線を急激に受けた場合には、生物影響は生体のキ ャパシティーを超えて物理的反応に類似したものにな るが、少量の放射線をゆっくり受けた場合には生体は 放射線によるエネルギー付与に対してさまざまな応答 をすることが可能となり、低線量と高線量、低線量率 と高線量率での影響に質的かつ量的差異が生じる。