放射線治療中の患部周辺線量を評価するための放射線誘起蛍光体と光ファイバーを用いた小型線量計の開発

摘要

1．緒言 粒子線治療などに代表される放射線治療は、がh治療の中でも患者への負担が少ない治療方法として期待されている。その一方で照射位置のずれにより腫瘍周辺の正常な組織に障害を与えてしまう恐れがある。炭素線治療で多くの適用例のある症例に前立腺がhがあるが、前立腺の内部には尿道が通っている。前立腺がhの治療で炭素線照射を行う際には間に位置する尿道の線量を下げることが望ましく、尿道のみを避けて行う照射法も検討されている。尿道の内部に線量計を挿入すれば尿道への線量が安全なレベルまで低減されているかを直接的に確認することができる。患者への負担なく人体に挿入するためには使用する線量計を小型にする必要がある。そこで我々の研究グループでは、光ファイバーの先端に放射線誘起蛍光体を配した小型線量計の開発を進めている。今回は複数の光ファイバー小型線量計を作製し、実際の治療場で使用するための模擬試験を行った。