石油産業の動向とアスファルトの需給について

摘要

ここまで、ストアス供給にも関連する石油産業の動きおよびストァスの需給動向について述べてきた。この他、2050年カーボンニュートラル(ライフサイクル全体で見たときに、二酸化炭素の排出量と吸収量とがプラスマイナスゼロの状態になること)や2030年代半ばのガソリン車の新車販売禁止に向けた動き、水素エネルギーのより一層の活用など、脱炭素化に向けた動きが活発化している。これにより国内の石油需要減少が更に加速することが見込まれ、それに伴う国内の石油製品、引いてはストァスの生産量にも影響を及ぼすことは否定できない。こうしたストァスの需要や供給にかかる様々な問題はあるものの、道路の新設•補修は今後もなくなることはなく、道路舗装にかかるアスファルト合材やストアスの安定的な供給は重要な課題であることに変わりはない。また2021年は東日本大震災から10年目の節目にあたるが、有事の際に最も重要なライフラインの一つである道路の早期復旧を実現させるためには、業界全体でストァス供給体制の維持に取り組む必要がある。