エッセィ: リニア新幹線開通にともなう名古屋駅の開発

摘要

名古屋駅は、2027年のリニア中央新幹線品川駅との開通により、リニア、柬海道新幹線、JR在来線、私鉄、地下鉄など9路線が集結する、まざに跌道ハブ駅になるとともに、大都市圏の中心駅でもある世界でも類を見ない中心性をもつ駅になる。これは、リニアが品川一名古屋間で開通した時点での2時間圏人口が、品川起点5,217万人にたいして、名古屋起点が5,949万人になることからもわかる(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ)。しかし現在の名古屋駅は、複数の路線が乗り人れる駅ではありがちなように、まるで増築を繰り返した温泉旅館のように、各路線の駅が複雑に配置されており、地元で名古屋駅を「名駅_と呼ぶことから、別名「迷駅」と揶揄されるように鉄道路線間の乗換が分かりにくい。リニア開業を機にこれを一気に改善しょうという、名駅大改造計画の策定が山場に差しかかっている。まず、地下に乗り入れている名鉄と近鉄の出入り口の複雑さを解消するとともに、名鉄名古屋駅の線路数を増やして乗り降りの分かりやすさを大幅に改善する。また、異なる鉄道間の乗換と分かりやすい歩行空間の整備のため、ターミナルスクエアという、乗換先が一目で見渡せ、案内機能も備えた広場が作られることになつた。図1に示すように、JR名占屋駅を東西に横切る地上レベルの中央コンコースの東側に3力所、西側に2力所のターミナルスクェアを設置する。現在の中央コンコースは混雑が激しいため、新たな柬西通路も整備する。現在の名駅には駅前広場と呼べるような空間がないに等しいが、駅の東西両側に魅力的な広場空間を設ける計画である。