オーストラリア各都市のウォーター·ァーバニズム

摘要

環境史における時の流れのスケールと地形など、様々な視点を組み合わせ、包括的に都市の生態を調査することから始まった-連のプロジエクトは、多くの人々にとって、どうすればより快適で楽しい未来の生活が得られるのかを探求しつつ、水と自然のかかわりに敏感であると同時に、人為的な影響による都市の変化にも対応し、未来の都市の状況を理解しようと努めてきた。そのため、予期せぬ災害や、未だかってない新しい変化がおこった場合でも、その衝撃を吸収する能力も柔軟なはずである。リサーチ段階では、まず、過去の現象を注意深く見つめ直した。デザィナーとしてはめずらしく自分たちの直感には頼らず、特定のタイプの知識を深め、継続的な開発や技術改善の具体例、現代の都市計画を特徴づける競争的な変化により、今まで見過ごされるか、却下され忘れさられてきた第三者の声を聞く立場にまわつた。このような忘れられた声の中には、地元の文化的記憶、先住民族の知識と実践、他文化の伝統的な技術、複雑な動植物体系、地質、地下水、およびその汚染などといった、地下の知識も含まれる。また、水を通して都市環境の研究に焦点をあてると、上記のすべての問題の共通項が見えてくる。水は、ダイナミックで耐久性があり、物理的および文化的境界を越えて時空を横断すると同時に、様々な事象を仲介する存在である。