「孤独」と「つながり」をめぐる諸相: 日本社会における展望

摘要

「おひとりさま」という言葉は、いろいろな意味で日本社会独特のニュアンスあるいは負荷を帯びた表現であり、それ自体議論のテーマにできるものだろう。 少し前にゼミで卒論の構想発表を行った際、ある女子の学生が「孤独を問い直す」ということを卒論のテーマにしていた。通常は、「孤独」という言葉は概してネガティブな意味合いで使われることが多いが、孤独には必ずしもそうした否定的な側面ばかりでなく、もっとポジティブな面が含まれているのではないか、というのがその基本的な趣旨だった。