京都発！レジリエンスとSDGsの融合 ：都市の持続可能性に向けて

摘要

本稿では、レジリエンスをキーワードとして、世界100の「レジリエント•シティ」に選定されている京都市の取り組みについて紹介するが、その前にレジリンスの理念について、基本的な整理をしておきたい。レジリエンスは、元来、物体が元に戻る状態や、回復力•復元力等を示す用語であるが、そこから派生して、生態学や心理学においては、さまざまなダメージを受けても、現状以上に改善する様子や新たな状況に適応すべく変革を遂げていく姿を表す言葉として用いられる。その意味では、押されたバネが反発して伸び上がる状態やラグビーボールが不規則に跳ね返る様子を想起する方が理解しやすいであろう。例えとして、「雨降って、地固まる」「災い転じて、福となす」という諺が、レジリエンスの理念を的確に表現している。