住宅の面白さがちりばめられた林昌二·林雅子「私たちの家」保存に向けて始動

摘要

2011年11月に逝去した林昌二氏の自邸「私たちの家」（東京·飯田橋)の保存について、議論が活発になってきた。林氏は1971年に「ポーラ五反田ビル」で日本建築学会作品賞を受賞するなど、日建設計の副社長を務め、日本の建築界を牽引してきた人物だ。住宅設計の名手である林雅子氏ではなく、自身が設計した自邸は名建築そのもの。玄関を入ると、段差のない床の仕切りの手前で靴を脱ぎ、広々とした居間に入って体を90度左側に向けると、居間の向こうに縁側があり、その先に庭が広がる。帰宅した林氏はもちろん、訪問客がここでくつろいで、庭のパノラマを眺めたときのドラマチックな視覚的効果が演出されている。