1. 色覚とカラーユニバーサルデザイン

摘要

地球は緑豊かな美しい花や木に満ちていて，明るい昼は鳥や花の美しさ鮮やかさを楽しみ，夏にはしかけ花火の豪快さ，線香花火の繊細な色彩の美しさに心奪われたりする.このように自然を楽しむとともに，それをカメラで撮ったり，絵を描いたり色彩の美しさは様々な楽しみになっている.もし，この美しい木々の緑色や虹の色が見えなかつたなら、丁度，白黒写真のような明度の違いだけであったなら，その楽しさは半減する.身近にいる犬や猫はこの素晴らしい風景をどのように見ているのであろうか？散歩に連れ歩くとき，自分が見ているように犬たちもカラフルに色が見えているように錯覚し，"綺麗だねー"と話しかけるが，実は犬も猫も私たちとは違う色覚である.夜行性の動物には色覚の無い明るさの区別しかできない動物もいる.鳥類には紫外線が見えるものがいて，カラスの色覚は紫外線が見える事も含めて4色型ともいわれている.人間には見えない紫外線が見える.また，蜂や蝶は，蜜を探して飛び回っているが，われわれ人間の見えない紫外線が見えその誘導で蜜のありかをキャッチしている.人は3色型色覚であるからカラフルなカラーテレビの世界であり犬や猫，牛，馬は2色型色覚で人間よりは限定された色の世界を見ていると考えられる.ナイル川の鯉には3色型の色覚があるという.地球上にいる生物には様々な色覚がある.